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2021年度予算要望
11月20日、党区議団は石川区長へ2021年度の予算要望を行いました。
予算要望全文は以下です。
千代田区長 石川 雅己 殿
2021年度予算 緊急・重点項目要望書
2020年11月20日 日本共産党千代田区議団
日本共産党千代田地区委員会
はじめに
党区議団が実施した「区政アンケート」には昨年の約1.5倍、300通を超える回答が寄せられました。そこに示された一連の区民の声を2021年度予算に十分に反映させることが求められます。とくに予算編成に際し、以下の4つの視点を活かすことを提案します。
第1、新型コロナ感染拡大への対応策は区政の最優先の課題です。「区政アンケート」には多くの不安とともに、くらし・営業への悲鳴が聞かれました。感染拡大防止のための検査・保護・追跡のしくみを構築するとともに、暮らしと事業、雇用を守る手立てを国・都とも連携しつつ手厚く講ずる予算が求められます。
第2、新型コロナ危機は、区政に市場原理をもちこんだ効率最優先の新自由主義の矛盾を浮き彫りにしました。そのためコロナ後の新しい社会にむけて2つの転換が必要です。ひとつは「官から民へ」の掛け声ですすめられた人件費削減路線の転換であり、いまひとつは、経済効率優先から持続可能な修復型のまちづくりへの転換です。
第3、「区政アンケート」では回答者の4割近くが「生活が苦しくなった」と答えています。それだけに区民負担増は避けなければなりません。
またコロナ危機のもと税収減が予想されますが、「公助」こそ区政の仕事です。予算編成の原則を「量入制出」でなく、暮らし・福祉優先に「量出制入」とすることを求めます。基金はそのための有効な財源です。
第4、2020年は、人類の生存を脅かす2つの問題で注目すべき変化がありました。ひとつは、核兵器禁止条約の発効確定です。これは、被爆者をはじめとする「核なき世界」を求める世界の声が結実した巨大な一歩といえます。
いまひとつは気候変動問題です。内外の市民運動が広がるなか菅首相が2050年までに温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにすることを宣言しました。
2021年度は、2つの課題をめぐる草の根の運動を区民とともに進める転機の年にしていく必要があります。
上記の4つの視点にたって、「緊急・重点項目として55項目を要望します。2021年度予算への積極的反映を求めます。
【1】 新型コロナウイルス対策での緊急要望
◆感染拡大をくいとめ医療崩壊を防ぐために
(1) PCR検査を子ども施設や障害者施設、介護施設の全職員に行うこと。
(2) 保健所体制について現場の声を聞き、必要な正規職員を配置し、人員体制の強化を行うこと。
(3) 医療機関への区独自の財政支援を拡充すること。また、医師会に加盟していない医療機関にも支援を行うこと。
(4) ホームヘルパーへのPCR検査について東京都に実施を求めること。
◆くらし・営業への支援
(5) 新型コロナ感染の影響で売り上げが減少し、都の感染拡大防止協力金の対象外となった事業者へ区独自の「支援金」を支給すること。
(6) 国や都の家賃支援給付金の対象外となった区内事業者への家賃・リース代などの固定費の区独自の助成制度を速やかに創設すること。
(7) 小規模企業支援特別融資などの区の融資制度について、利子補給率や信用保証料の補助などを区民と区民外で差を設けないこと。
(8) 千代田区特別給付金の申請書が返送されない世帯、特にひとり暮らしの高齢世帯等について、申請漏れが無いようにきめ細かな対応をおこなうこと。
(9) 新型コロナの影響で経営難に苦しむ公衆浴場へ支援を強めること。麹町地域の公衆浴場確保に向け、あらゆる対策を検討すること。
(10) 持続化給付金、家賃支援給付金の継続を国に求めること。
(11) 消費税の減税を国に求めること。
◆子育て支援と子どもたちへのケア
(12) コロナ禍のもと、児童・生徒の不安やストレスに丁寧に対応するためにも少人数学級を区独自に進めること。
(13) 今後の感染拡大による保育園の登園自粛などでファミリーサポートを利用せざるを得ない保護者への臨時的な利用料補助を行うこと。
(14) ひとり親世帯や就学援助支給世帯への給付金をおこなうこと。
【2】 重点要望項目
◆福祉・医療・介護の分野
(1) 国民健康保険料について。
① 一般財源の繰り入れを行い引き下げること。
② 子どもの均等割額の減免を行うこと。
(2) 介護保険制度について。
① 制度の充実が保険料の引き上げにつながらないように国庫負担割合を50%に引き上げることを国に求めること。
② 補足給付の見直しと高額介護費の上限引き上げに伴う負担増について助成をすること。
③ 第8期保険料は負担増にならないようにすること。
(3) 後期高齢者医療保険料引き下げのために国や都に財政支援を求めること。また、窓口負担について原則2割にしないよう国に求めること。
(4) 人工内耳装用者への区独自の補助を設けること。また、国に対し人工内耳を補装具費支給制度の対象種目に加えるよう働きかけること。
(5) 福祉タクシー券の交付対象に要介護者、精神障害者も加えること。
(6) 生活保護について。
① 住宅扶助特別基準額の引き上げを国に求めること。
② 生活保護の高齢加算の復活を国に求めること。
③ 生活保護の生活扶助と母子加算を元に戻すこと、生活保護利用世帯への夏の見舞金の創設を国に求めること。
④ ケースワーカーを増員し、相談者に寄り添った対応をおこなうこと。
(7) 次期の「風ぐるま」の見直し(2023年)を待たずに、利用者の声に応え、以下について早急に改善すること。
① 運行時間帯を午前7時台や午後6時台などにも拡大すること。
② 現在のルートの逆方向のルートもつくること。
③ 便数を増やすこと。
④ 区立保育園前、区営住宅前などを経由するルート変更を検討するとともに、現在のルート上の保育所前や公共住宅前への停留所を設置すること。
⑤ 全ての「風ぐるま」の停留所にベンチを設置すること。また、可能な限り停留所のベンチに屋根を設置すること。
⑥ 障害者やシルバーパスを持っている方の運賃を無料にすること。
(8) 子どもと高齢者の任意予防接種は指定医療機関だけでなく、実施している区内のどの病院でも助成を受けられるようにすること。
(9) 年金で入居できるサービス付き高齢者住宅の整備計画を早急に具体化すること。
◆子育てと教育
(10) あらゆる可能性を汲み尽して子どもたちが遊べる公園・広場を増設すること。
(11) 教員の多忙化解消に真剣にとりくむこと。また、国に対し教師への「変形労働時間制」導入の中止を求めること。
(12) いじめ防止のために。
① スクールカウンセラーを増員すること。
② コロナ禍のもと、児童・生徒の不安やストレスに丁寧に対応するために相談体制などを一層充実させること。
③ 小中学生対象に、「子どもの権利条約」の小冊子を作成し配布すること。
(13) 待機児童解消にあたっては、早急に区立·認可保育園を整備すること。
(14) 学童クラブの待機児童対策のために。
① 学童クラブの増設を区有地の活用を含め早急におこなうこと。
② 学童クラブは必要とするすべての児童を受け入れ、待機児ゼロの実現を図ること。
(15) 学校給食を無料にすること。また、 多子世帯への支援として2人目を半額、3人目を無料などの助成制度を創設すること。
◆住まいとまちづくり
(16) 街路樹を活かしたまちづくりに向け、その在り方を専門家と市民の参画を得て検討し、(仮称)「街路樹指針」を作成すること。
(17) ヒートアイランド対策については、各地区のヒートアイランド特性に応じた緩和策を講ずること。また、人工排熱を抑制するまちづくりを計画的に進めること。
(18) 四番町公共施設整備にあたっては、「住まいは人権」の立場で区営住宅・アパート居住者の要望に最大限応えること。
(19) 借上げ型区民住宅制度を復活するなど新規公共住宅を供給すること。
(20) 家具転倒防止器具の取り付け助成を創設すること。
(21) 一般道に面するマンションへの耐震化助成を拡充すること。
(22) 居住環境の劣悪なマンション建設を抑制するために、「ワンルームマンション等建築物に関する指導要領」を見直し、条例化を急ぐこと。
◆国に対して
(23) 国に対し憲法9条の改定を行わないよう強く申し入れること。
(24) 原発の再稼働や石炭火力発電所の増設や輸出に反対するとともに再生可能エネルギーの本格的導入を強く求めること。
(25) 沖縄県辺野古沖への新基地建設工事の中止と日米地位協定の見直しを国に求めること。
(26) 2021年1月に核兵器を違法とする「核兵器禁止条約」の発効が確定した。日本は唯一の戦争被爆国であり、政府に対し一刻も早く条約に署名し批准するとともに、核廃絶の世界の運動の先頭に立つよう求めること。
(27) 厚労省による公立・公的病院の再編・統合のリストから九段坂病院を外すことを求めること。